「それじゃあ、改めて、裕太くんのオチンチンのお世話をしちゃいましょうか?」
朗らかに、真理江はそう宣言した。
「もう何度かお世話してもらってるから、どうすればいいのか、裕太くんもわかってるわよね?」
「…………」
「お返事は、裕太くん?」
「……はい」
裕太は、しぶしぶ同意した。今でも、やはり気が進まない。だが、もはやこれ以上、抗うことができずにいた。先ほど、真理江の策略にまんまと嵌まり、トレーニングの継続を了承するとともに、もうワガママは言わないと、彼は約束してしまった。そのため、今更それを覆すことは、心理的に非常に難しかったのだ。
それでも、俯いたままの裕太だったが、そんな彼を尻目に、話し合いが行われていた。それは、今日の裕太のお世話係を決めるためのものだった。
そして、まず一人目が、裕太の面前へとしゃがみ込んだ。彼女の目の前には、すっかりと萎えきってしまったお子ちゃまオチンチンが、力なく垂れ下がっている。それは、先端までしっかりと包皮に覆われたままだ。
「裕太くん、なんて言うんだっけ?」
真理江から言われ、裕太が口を開く。
「み、美澄お姉ちゃん……。オ、オレの、オチンチンの……、お世話をしてください……」
「エラいわよ、裕太くん。ちゃんと言えたじゃない。それじゃ、気持ち悪いオシッコと……、それから白いオシッコも拭き取って、キレイキレイしてあげるねっ」
美澄と呼ばれたその部員は、優しげにそう言うと、右手に赤ちゃん用お尻拭きを手にした。そして、もう片方の手で、裕太のオチンチンの先端、そのすぼまった包皮を摘まむ。それは、その大きさと、先端のすぼまり具合、そして全体的な白さの中にうっすらと静脈を浮かばせたその色合いから、どこか百合のつぼみを思い起こさせた。
だが、おねしょパンツを脱がされてから時間も経っており、実際のところ、オシッコも精液も、ほとんど乾いてしまっていた。だが、つまみあげたオチンチンを、丹念に拭き上げていく。表面はもちろん、その裏側も、そして睾丸も含め、全体的に丁寧に……。
「あぁんっ……」
拭き上げられるたびに、裕太はあえぎ声をあげる。そして、自分の中で、淫らな気持ちがふたたび湧き上がるのを感じる。
「あらっ……?」
美澄は小さくつぶやくと、裕太のオチンチンから手を離した。ピクピクと小さく痙攣したそれは、急速に硬さを増し始めた。そして遂には、お腹に貼り付かんばかりに屹立してしまう。
「あー、裕太くんのオチンチン、勃っちゃったー」
「まだまだこんなに小さいのに、裕太くんのオチンチンはワンパクだなぁ」
「姉ちゃんに触ってもらって、気持ちよくなっちゃんだよな、裕太くん」
周囲から飛ぶ揶揄の声に、耳まで真っ赤にしてしまう。特に、最後の言葉など、認めたくはないものの、事実その通りなのだから始末におけない。もちろん、こんなにも恥辱的で、こんなにも屈辱的な扱いは、裕太にとっても、まったくもって不愉快だった。理性としては、まさにそう。だが、思春期を迎えた少年として、意志とは無関係に体が反応してしまうのも、それは致し方のないことだった。
だが、それでも、裕太は反抗しようとはしない。いつの間にか、後ろ手の拘束を解かれていたにもかかわらず、従順に立ったままだ。一度交わしてしまった、真理江との約束を破ることなどできない。その思いが、いまや一種の強迫観念となっており、もはやされるがままだった。
「うふっ、オチンチンの裏側と、タマタマが拭きやすくなっちゃった。裕太くん、お姉ちゃんが拭きやすいようにって、協力してくれたんだよねっ? ありがとう、裕太くん」
美澄はそう言うと、さらに一層丹念に、裕太のオチンチン周りを拭き上げる。だがそれは、清めているというよりは、もはや愛撫そのものだった。急速に増していく、裕太の高揚感。あえぎ声も激しくなり、もはやこれ以上は……。
そんな裕太の状況を知ってか知らずか、美澄は急に拭き上げをやめた。そして立ち上がると、こう告げた。
「お姉ちゃんのお世話はここまで。裕太くんのオチンチンもお尻も、ピッカピカになったわよ」
そしてにっこりと微笑むと、後ろ振り返ってこう言った。
「それじゃ、次はよろしくねっ」
「おうっ、私にまかせろ!」
そう言って、お尻拭きの箱を引き継いだ別の女子部員が、入れ替わるように裕太の前へとしゃがみ込んだ。
「ここもキレイにしないとな。姉ちゃんが、しっかりと拭いてやるからっ。いくぜっ、裕太くん!」
髪を短くした、どこか威勢のいい感じのするその女子部員は、痛いほどに勃起している裕太のオチンチンへと手をのばす。今では、先端のすぼまりがほどけ、微かながらに尿道口が覗けている。だがそれでも、全体としては、しっかりと包皮に覆われたままだ。
彼女は、その包皮へと手をのばすと、ゆっくりとズリ下ろし始める。そうすると、未だ色素沈着していない、薄桜色をした内部があらわとなる。そして、内側に潜んでいたアンモニア臭が新たに解き放たれ、周囲に漂い始めた。
裕太は、思わず声をあげた。ほんの数日前、それこそ人生で初めて、十二年以上も大切に守られてきたそこをあらわにされたときには、それこそ泣き叫ばんばかりに痛がった。だが、今では、単純に剥きあげただけでは、痛みまでは感じない。それでも、最大限まで勃起をしても、手で剥かないかぎりは包皮によって守られ続けているその部分は、空気さえも敏感に感じてしまう。
「それじゃ、キレイにしような!」
そう言うと彼女は、あらわとなったその部分に、いきなりお尻拭きをあてがった。
「イ、イタイっ!」
だが、なにかに触れられるとなれば、話は別だ。裕太は叫び声をあげると、思わず腰を引いた。
「なんだなんだ、裕太くん。そんなんじゃ、キレイにできないぞ。もっと、前に来いよっ」
彼女はそう言うと、裕太の小ぶりなお尻に左手を回し、グイッと前に引き寄せた。そして、ふたたびお尻拭きをオチンチンの先端にあてる。
家庭科室に、悲鳴がとどろいた。裕太にとって、それは刺激が強すぎた。激痛といってもよい。あらわになった粘膜部分から生ずる快感を享受するには、裕太の肉体はまだ幼すぎたようだ。
「♪それっ、亀さん、亀さん、こんにちは。キレイに、キレイにしましょうね。さぁ、ゴシゴシ、ゴシゴシ……」
おそらく彼女は、実際に、幼い弟か妹でもいるのだろう。どこかわざとらしさの残る、真理江をはじめとした他の部員たちと異なり、とても自然な感じでお世話をしていく。オリジナルの歌まで歌い始めたところなど、いつもそのようにあやしているのだろうということがわかる。もちろん、こんなことはしていないだろうが。
「ほらっ、裕太くんも、姉ちゃんと一緒に歌おっ! ♪それっ、亀さん、亀さん、きれい好き。ゴシゴシ、ゴシゴシ……」
だが、裕太にとっては、それどころではなかった。触れられるだけでも刺激が強いのに、歌のとおりゴシゴシと擦られては、言葉を発することすら難しい。そして、オチンチンそのものも、急速に萎えつつある。
「なんだよ、裕太くん。だらしないなぁ……。幼稚園に通う、うちの弟だって、体洗ってもらうときは、ちゃんと一緒に歌えるんだぜ。たしかに、弟はおもらしなんかとっくに卒業したけど、それでも裕太くんの方が、ちょっとはお兄ちゃんだと思ったのに……。でもまぁ、キレイになったみたいだし、ヨシとすっか」
屈辱的な言葉を浴びせながらも、女子部員の手が止まった。
「あ、ありがとう、涼絵お姉ちゃん……」
本当にホッとしたのだろう。裕太の口から、思わず感謝の言葉が出る。
「じゃあ、最後だな。これからは、裕太くんも一緒に歌えるだろ? ほら、いくぞっ」
涼絵は、いまや半勃ち状態となってしまった裕太のオチンチンへと、ふたたび手をのばした。
「♪亀さん、亀さん、さようなら」
「か、亀さん……、亀さん……、さようなら……」
彼女の元気な歌声に対して、たどたどしく、そして弱々しい声で、裕太が追従する。
だが、それでは涼絵は納得しないようだ。彼への叱咤激励が飛ぶ。
「ほら、もっと元気に、テンポよく! ♪亀さん、亀さん、かくれんぼ。今度会うまで、バイバイバイっ」
「♪亀さん、亀さん、かくれんぼ。今度会うまで、バイバイバイっ!」
そんな、気合いに充ちたお世話係の指示を受け、教室中に裕太の歌い声が響いた。
「♪亀さん、亀さん、おやすみねっ。お布団掛けて、グーグーグー」
「♪亀さん、亀さん、おやすみねっ。お布団掛けて、グーグーグー!」
「♪優しく守ってあげますよ」
「♪優しく守ってあげますよっ!」
絶叫するかのように、とうとう歌いきった裕太を見て、にっこりと微笑む涼絵。そして、歌詞のとおり、裕太のオチンチンの先端を、包皮で優しく覆い守ってあげるのだった。